賃貸物件で暮らす方には、何年住み続けるか悩んでいる方もいらっしゃると思います。
住む場所を短期間でどんどん変えていく場合、あるいは同じ場所に住み続ける場合、そのどちらにもメリット・デメリットがあります。
今回は、賃貸物件に住み続ける期間に関するポイントについて、詳しく解説していきます。
賃貸物件の契約では2年更新が多い
賃貸物件には契約期間というものがあり、ほとんどの物件で設定されている契約期間は、2年です。
数ヶ月〜1年ほどの期間だと入居してすぐに退去しやすくなり、3年以上だと入居者にとって長すぎるため、その間の2年という期間になっているという場合が多いです。
また、公益財団法人・日本賃貸住宅管理協会が2022年に発表した第26回 賃貸住宅市場景況感調査によると、単身・ファミリーが同じ物件に住む平均居住期間は、全国で4年1ヶ月、首都圏だと4年5ヶ月というデータが出ています。同じ物件に住み続ける期間は、4年弱が平均とみていいでしょう。
賃貸物件に長年住み続けるメリット
更新が面倒、という方も中にはいらっしゃるかもしれませんが、契約更新をして何年も同じ賃貸物件に住み続けることは、どのようなメリットがあるのでしょうか。下記より紹介していきます。
引っ越しや役所への手続きが不要
引っ越しをする際、その準備やかかる費用の捻出に加えて、面倒な各種手続きを済ませなくてはいけません。
引っ越し作業は、荷造りや荷物の搬入・搬出、引っ越し業者の手配などがあります。業者に依頼せずに自分でやればそれだけ費用は浮きますが、荷物が多い・重たい荷物が多い場合はハードな作業となり、とても面倒な作業です。
また、住所変更をする場合にやるべきことは、新旧の役所への転出・転入・転居届の提出、免許証など各種登録情報の変更です。
引っ越し先の新しい賃貸物件を見つけることから開始して、物件契約、引っ越しや変更届など各種雑務をこなしてすべてを完了させるには、1〜3ヶ月の期間を費やす必要があります。
引っ越しをせずに、同じ賃貸物件に住み続ければ、そのような手間は一切不要です。
退去費用が安くなる
賃貸物件に住み続けるとその部屋は年々汚れていくので、退去時に敷金などがクリーニング・メンテナンス代金にあてられる仕組みになっています。しかし、賃貸物件は、居住期間が長いほど退去費用が安くなり、入居者の負担が軽くなるのです。
賃貸物件の設備には耐用年数というものがあり、年数が経過すればするほど退去費用が下がり、数年経てばほとんど0円ということもあります。※入居者様の過失の有無によります。
フローリング・エアコンなどは耐用年数の対象外になることが多いですが、長い居住期間であれば全体的な費用は安くなると思います。
住み慣れた土地になる
実家から遠く離れたエリアであっても、長年住み続けることによってその土地に詳しくなり、住み慣れた居心地の良い土地になるのも、メリットに挙げられるでしょう。
長年住み続けると、どこにどんなお店があるのかが把握でき、近道・抜け道などにも詳しくなります。
住んでいるエリアのあらゆるポイントに詳しくなれば、どのスーパーが安いかといったエリア情報に精通して節約にも繋がるでしょう。
今の場所を出て新しいエリアでの生活が始まったら、また1から情報を仕入れなくてはいけません。周辺をじっくりと散策する余裕がないと、新しい情報収集はしづらいでしょう。
賃貸物件に長年住み続けるデメリット
引っ越しをしないで同じ賃貸住宅に何年も住み続ける場合、デメリットもあります。どのようなデメリットがあるのか、次より紹介しましょう。
生活に変化がない
同じ状況で延々と生活をしていると変化のない生活を送ることになります。変化に興味のない平坦な人生を希望する人であれば何も問題はありません。
しかし、住み慣れたエリアに留まっていると、今度の自分の可能性も狭めてしまうことになります。今のエリアを出て新しい生活を始めることによって、日々の生活が楽しく新鮮な気持ちで毎日を過ごすことができるかもしれません。
そして、未開の地での生活が始まれば新しい出会いも生まれ、その出会いがまた違う可能性を広げてくれることもあるでしょう。
住み慣れた生活環境であればトラブルが起きる心配もありませんが、新たな刺激が生まれる可能性もあまりないといえます。
住宅ローンの支払いよりお金がかかるケースもある
人によっては、賃貸物件で暮らすのではなく、家を建てる・買う人もいます。
賃貸と住宅ローンでは、賃貸のほうが月々の支払いは楽だろうと考えている人もいるかもしれません。しかし、長い目で見てみると長期間の賃貸生活よりも住宅ローンの方が経済的に負担がかからない場合もあるのです。
住宅ローンの場合、数十年の支払いを終えればもう支払いをする必要はありません。しかし賃貸の場合は住み続ける限り延々と毎月払い続ける必要があります。
一軒家を入手したらメンテナンスや税金など手間のかかることもあるため、どちらが得かは明確には断言できません。よく比較して賃貸に住むか購入するかを検討しましょう。
賃貸物件に長年住み続ける際の注意点
同じ物件に長く住むには、オーナー様や近所の住民と良好な関係を築くことも大切です。何かトラブルが発生した場合、快く相談に応じてもらえるようにしておきましょう。
逆に、人付き合いが悪くオーナー様や近所の住民から評判が悪くなってしまった場合、住みづらくなるので注意してください。特に騒音問題や違法駐車などでトラブルになるケースがよくあります。賃貸物件で長く住んでいくためには周囲への配慮も必要です。
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まとめ
同じエリア・賃貸物件に住み続けるのは決して悪いことではなく、いくつものメリットがあります。
今回の記事で紹介した賃貸住宅に長年住み続けるメリット・デメリットを把握して、自分にはどちらがふさわしいのか、よく考慮して引っ越しをするべきかしないべきかを決めることが大事です。
また、オーナー様や近隣住民と良好な関係を持つなど、長く住み続けるのにも押さえるべきポイントがあります。長く住み続けるためのメリットや秘訣などを、しっかりと頭に入れてお部屋探ししましょう!